介護に行けず「少しほっとした」 遠距離介護のツラい現実と三つの問題 (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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介護に行けず「少しほっとした」 遠距離介護のツラい現実と三つの問題

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鮎川哲也週刊朝日#シニア
イラスト=GettyImages

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寝起きの際、腰や脚に負担が少ない介護ベッド。記者の父母宅でもレンタルし、助かっている (GettyImages)

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遠距離介護を乗り切る心得11カ条 (週刊朝日2020年7月10日号より)

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遠距離介護あるある。コロナ禍編 (週刊朝日2020年7月10日号より)

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 遠距離の移動には交通費がかさむ。記者の場合は飛行機を利用すると往復5万円以上と馬鹿にならない。そのため一番安い方法として、行きは深夜バスを使う。往復はさすがに疲れるので、東京に戻るのは新幹線。時間がかかり、体力も必要なのだが、できる範囲で安いほうを選ぶ。

 親が生活するための現金の管理も気になる。記者の両親は、昔気質の人間で、現金自動支払い機などは敬遠気味。まとまった現金も家に置いていることが多い。でも衰えの目立つ記憶力では、大事なお金をどこに置いたかわからなくなることが多い。

「あのお金どこ置いた?」

 と、両親から何度聞いたことか。その言葉を聞くたびに不安になる。

 新型コロナの蔓延により、政府から1人10万円の特別定額給付金が支給される。手続きのために書類が郵送されるが、それらはしっかり管理されているだろうか、記者は不安にかられた。

 特別定額給付金の申請には、運転免許証などの本人確認書類や振込先金融機関口座確認書類のコピーが必要だが、そのようなことも高齢の親にはハードルが高い。記者の両親の場合は、ケアマネの手助けでどうにかなった。

 次に時間である。

 四国に行くときは深夜バスで、と記したが、やはり急ぎの場合は飛行機だ。しかし、便数が限られ、案外予約が取れない。県境をまたぐ外出自粛が解除になってもコロナ禍で減便となっているため、さらに競争率が高くなっている。

 何か問題が起こってもすぐには行けないというのは、とてももどかしい。

「何かしないといけないと思いつつも、親は遠くにいるのですぐには対応できない。一番ドキッとするのは、親が住んでいる地域の市外局番の知らない電話番号からの着信があったときですね」

 と太田さんは続ける。

 コロナ禍で両親に万が一のことがあれば……そう考えるだにつらくなる。

 加えて、介護のため帰省する際、できるだけ役所や企業があいている平日を含めたいという事情がある。すると平日にも休むことになり、仕事にも支障をきたす場合がある。ケアマネやヘルパーと打ち合わせをするにも、休みの日は敬遠されそうだし、やはり平日に、という心理も働く。

 体力面もきつい。

「介護をする側も高齢になっているケースも増えています。60代の人は体力的にきびしいという人が多くいます」と太田さん。

 介護される親の年齢同様、介護する側も年を重ねることになる。滞在中の限られた時間の中でやらなければならないことが山ほどある。平日の仕事同様、場合によってはそれ以上に体力を使う。

「親が病気やけがなどで入院すると通う頻度も上がりますからね。より体力を消耗することになります」(太田さん)


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