久坂部:それについては、皆さんが答えを欲しがりますが、正解は「人による」なんです。食事管理をしても壊死する人は壊死するし、いい加減にしていてもならない人もいる。ただし、管理しなければリスクは上がるんです。でも壊死するかどうかは、神のみぞ知るです。だから、後悔しないようにするしかありませんね。

篠田:後悔の気持ちを、相手の落ち度として裁判を起こされるのも困りますね。

久坂部:先ほど篠田さんは、面会が禁止になって解放されたとおっしゃいました。実は家族が亡くなって解放感を感じる人も多いんです。解放感を感じる人は、一生懸命介護していた人なんです。介護で悔いを残すと、亡くなった後も引きずる人が多い。やるだけのことをやったと思える人は解放されるんです。一生懸命やった人は、悲しみの中にも納得感があるのだと思います。

篠田:素敵にまとめていただいて、ありがとうございました。

(構成/本誌・鈴木裕也)

週刊朝日  2020年7月3日号より抜粋