コロナ災害によって、国や行政からの支援がないと多くの都民が危機感を持っている。支持政党や支持候補者がいない人らが政治を考えるきっかけになったはずです。そういう人たちにどこまでリーチできるかが鍵になると考えています。

──五輪中止を公約に掲げています。中止による経済などへの影響についてはどう考えますか。

 中止は残念ですが、特効薬などを確保できる見通しもなく開催するのは無責任です。五輪のせいで感染が拡大したら、世界に顔向けできないでしょう。

 そもそも、イベントで一発火をつけることで経済を何とかしようというのはカジノと変わらない発想。そういう飛び道具に頼らず、人々の生活を取り戻す対策を先にやるべきです。
 
 小池さんが五輪にこだわるのは、自分の周りに利害関係を持っている人が多いからでしょう。五輪を開いた知事として名前を残したいという思いもあるかもしれない。これは安倍さんと共通する部分です。そんな発想じゃ国民や都民のための政治なんてできませんよ。

──立憲民主党と共産党、社民党が支援する宇都宮健児氏との間で野党票が割れる状況をつくったことには批判の声もあります。山本氏と宇都宮氏とは何が違うのか。

 確かに、僕と宇都宮さんには共通する部分がある。彼は困窮する人たちのために最前線で活動する「天使のような人」の一人で、尊敬しています。しかし、財政に対する考え方が根本的に違う。予算を現状の枠内で他に付け替えるだけでは、今回のような緊急時には対応できない。もっと大胆に支出すべきなんです。

 私は公約として、全都民に10万円の給付、学校に通う高校生や大学生の授業料を1年間免除するなど、総額15兆円の緊急対策を掲げています。財源として都債を15 兆円発行して、日銀に買い取ってもらう必要もある。これに、立憲と共産党は乗れないでしょう。都債の発行は、日本維新の会推薦の小野泰輔さんも言い始めていますね。良いことだと思う。みんなもっと言うべきです。

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「最終的には総理大臣を目指す」