※写真はイメージです (GettyImages)
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デジタル時代を乗り切るための3カ条 (週刊朝日2020年6月12日号より)
デジタル時代を乗り切るための3カ条 (週刊朝日2020年6月12日号より)

 感染が収まるアフター・コロナの時期が来ると、企業のデジタル化が一気に進むのだそうだ。瞬く間に広まったテレワークを見ていると、たしかにうなずけるが、そうなると気になるのはITが苦手な高年齢ワーカーたちの動向だ。「長く働く」が合言葉になった今、ビジネスの急激な変化についていく必要があるからだ。大丈夫なのか?

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「彼も外出したくないだろうから、Zoomなら取材に応じるかもね」

「ずーむ?」

 記者が「オンライン会議」のことを知ったのは3月下旬、取材先とのこんな会話からだった。

 60歳の記者こそ、ITが苦手な高年齢ワーカーの一人だ。次々に出てくるIT機器・ツールを上手に使いこなせず、普段からコンプレックスを感じている。

 パソコン(PC)やスマートフォン、タブレットで相手の顔を見ながらミーティングができるのがオンライン会議だ。数あるソフトの中で米国生まれの「Zoom」が人気沸騰中……。そんなことを聞いても、「また若い人向けのツールができたのか」という程度の受け止めだった。

 しかし、そこからの展開は速かった。翌週には外資系企業の取材で、応対手段を指定されて初体験。4月にはプライベートな会合でも使うようになり、テレビで知った「Zoom飲み会」にも参加した。

 コロナ禍の外出自粛で、ビジネス社会に一番広まったのは「テレワーク」だろう。

 人事関連のシンクタンク、パーソル総合研究所が3、4月に行った2回の大規模調査によると、3月半ば時点では13.2%だった正社員のテレワーク実施率が、緊急事態宣言後の4月中旬には2倍以上の27.9%に跳ね上がった。東京都に限れば、3月の23.1%が4月には49.1%。なんと約半数の企業がテレワークを導入していたことになる。しかも、「現在の会社で初めて実施」したとする、いわゆる「テレワーク初心者」は3月が47.8%で、4月は68.7%にものぼった。

 日本中の多くのビジネスパーソンが、どうやら似たような体験をしたようだ。

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