広島、東京地検からすでに事情聴取された河井夫妻は、地元で現金をばらまいたことについては否定していないという。

「河井夫妻は、現金を配ったのは統一地方選の陣中見舞い、当選祝いと主張している。当然、その原資が必要だが、河井夫妻の銀行口座、政治資金などから、ばらまいた額に見合う資金の出入金の形跡がうかがえない。自民党から支出された1億5千万円の捜査は不可欠だ」(捜査関係者)

 そして昨夏の参院選でウグイス嬢に法定の2倍、3万円の日当を払ったとして逮捕・起訴された案里氏の公設秘書、立道浩被告の公判も続いている。

「検察の取り調べに立道被告がかなりしゃべっていたことが公判で明らかになり、河井夫妻はガックリきているようだ。これまで立道被告は選挙についてしゃべっていないと思い込んでいたみたい。そこへきて党本部の職員、スタッフまで検察から事情聴取され、二重にショックを受けている」(前出の自民党幹部)

 河井夫妻の逮捕Xデーが迫り、安倍首相周辺も動き出したという。

「逮捕の影響をどうすれば最小限に抑えられるかと対策を話し合っている」(同前)

(今西憲之)

週刊朝日  2020年6月12日号

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大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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