亡くなった木村花さん=「テラスハウス」ホームページから(C)朝日新聞社
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 フジテレビの恋愛リアリティー番組「テラスハウス」に出演していたプロレスラーの木村花さんの死をきっかけに、インターネット上で誹謗(ひぼう)中傷表現規制を求める声が高まっている。

【写真】#KuTooを支えた署名サイトの運営者ら

 5月26日には高市早苗総務相が「匿名で他人を誹謗中傷する行為は人として卑劣で許しがたい」と述べ、発信者情報の開示を定めるプロバイダー責任制限法の改正について検討を急がせる姿勢を示した。

 木村さんの場合は亡くなった後に誹謗中傷が注目されたが、著名人・一般人を問わず、現在進行形で苦しむ人は少なくない。

「自分と同じ思いをする人をこれ以上出したくないと思っていましたが、木村さんの死を受けて、『被害者が出てしまった』と感じました」

 こう話すのは、女優の石川優実さんだ。2019年、職場でのパンプス着用義務に異議を唱える運動「#KuToo」を世に広げた。

 同年に、

「いつか女性が仕事でヒールやパンプスを履かなきゃいけないという風習をなくしたいと思っている」

 とツイート。その後、インターネット上で署名キャンペーンを始め、衆院厚生労働委員会で取り上げられるなど、社会的に大きな反響を呼んだ。

 一方、キャンペーンを始めた当初から、SNS上では多くのアンチコメントを受けてきた。石川さんの職業を侮辱するものから、キャンペーンの文面がうそだと決めつけるものまで、内容は様々だった。時間のある限り、それらに一つ一つ返信していった。

「相手とコミュニケーションを取りたいわけではありません。外に向けて被害を可視化させるためにやっていました。SNSで誹謗中傷を受けていても、当人以外にはわかりにくいですから」

 懸命に打ち消しても、デマが拡散されていくスピードには勝てず、無力感にさいなんだ。

「SNSでデマが拡散されているのを見た翌日、電車に乗ると気分が悪くなり、パニック状態になる日もありました。最近は、自分が死ななければ事態を収束できないんじゃないか、という考えが頭をかすめる日すらあります。でも、それをつぶやくと、『自分で死ぬとか言っているくせに死なないのか』というリプライがくるんです」

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実家の住所などもさらされ、法的措置を検討