拭き掃除は素手で。終わったらしっかり手洗いを。手袋は脱着時にウイルスがつくおそれがあるので着けないほうがよい (Getty Images)
拭き掃除は素手で。終わったらしっかり手洗いを。手袋は脱着時にウイルスがつくおそれがあるので着けないほうがよい (Getty Images)
COVID-19対策北里プロジェクトの実験でウイルスを不活化させた製品 (週刊朝日2020年6月5日号より)
COVID-19対策北里プロジェクトの実験でウイルスを不活化させた製品 (週刊朝日2020年6月5日号より)
感染者への食事のポイント (週刊朝日2020年6月5日号より)
感染者への食事のポイント (週刊朝日2020年6月5日号より)

 家族が新型コロナウイルスの感染者、もしくは濃厚接触者(以下、当事者)となったら、家の中でどのように接したらよいのか。基本のキとは、これまでずっと言われている「接触感染」と「飛沫(ひまつ)感染」を防ぐという二つ。つまり、マスクと手洗いだ。しかし、同じテーブルで食事は、洗濯ものを一緒に洗うのは、食事のメニューは……。感染のリスクを減らすために知っておくべきことは多い。ぜひ参考にしていただきたい。

【実験でウイルスを不活化させた市販の家庭用洗剤はこちら】

 では、接触感染のリスクが高いトイレや入浴、食事など、生活に欠かせないところの対策は、どうしたらいいのだろうか。

【トイレ】一つしかないときは、当事者が使用した後は必ず消毒液(後述)で拭き掃除を。ドアノブやトイレットペーパーホルダー、便座も拭く。便からもウイルスが検出されているため、流すときはフタをする。二つ以上ある場合は、当事者と家族で分けられるので、1日1回の拭き掃除でよい。

【入浴】当事者は最後に入る。浴室より気をつけたいのは脱衣場や洗面所。ここも使用後は消毒液で掃除を。入浴だけでなく、洗顔や歯磨き後も拭く。

【食事】お盆にのせて当事者がいる部屋の中側に置く。食べ終わったら同じ場所に置いてもらい、持ち帰ったらお盆ごと台所のシンクに入れる。持ち帰る際に、ドアノブなどを触らないように注意する。家族の食器と一緒に台所用洗剤で洗っても問題はない。

【洗濯】基本的な考え方は食器と一緒。当事者が着た衣類はまとめて洗濯機へ入れる。家族の衣類と一緒に洗ってもよい。ポイントは、衣類を洗濯機に入れた後、扉を閉める前に手を洗うこと。これで扉の表面へのウイルス付着を防げる。

 接触感染予防に欠かせない消毒液について、国立病院機構東京病院の感染症科部長の永井英明医師は、

「アルコールか、使用の目安にそって薄めた次亜塩素酸ナトリウムのどちらかを」

 とアドバイスする。次亜塩素酸ナトリウムとは家庭用漂白剤などの原料になっている成分で、スーパーやドラッグストアなどで普通に売られている。

次のページ