■お仕事もの


 憧れの職業や、仕事の裏側など、マンガだからこそ垣間見えるものがある。

「ハコヅメ」(講談社)は、嫌われがちな警察官の仕事ぶりをユーモラスかつリアルに描いた作品。

ドラマでかっこよく描かれることも多い警察ですが、実際は泥臭くて大変なことが、人間味あふれる登場人物から伝わります。愚痴りつつも使命感を持って働く姿はやはりかっこいい」(紀)

正直不動産」(小学館)は、複雑な不動産業界の内情がリアルだと話題に。

「素人には知らないことばかり。綿密な取材に基づいていて業界人にも好評。一切の嘘偽りなしで商品を売るのは難しいもの。主人公の奮闘ぶりが面白い」(ジ)

 ノスタルジックな雰囲気なのが国鉄時代の車掌を描いた「カレチ」(講談社)。

「物語の根底にあるのは仕事に携わる人の使命感。“不要不急”と言われる中、誰かのために仕事を続ける人がいます。当たり前のことだと思わず、感謝と敬意を持ちたい」(往)

 定年退職後に妻を失った男性の、少し特殊な第二の人生を描いた「はたらくすすむ」(講談社)は、人生を振り返らずにはいられない。

「ピンサロのボーイとして働く男性。スケベ的な悪しき展開はなく、風俗嬢や客などと関わりながら、ただ実直に働く姿に、人生の厚みや深さを感じます」(今)

■医療もの
 ドラマで定番の医療ものは、マンガが原作なのもしばしば。「アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり」(コアミックス)は、石原さとみ主演ドラマが4月から開始予定が延期に。

「実はどんな仕事か知られていない薬剤師。薬がどういうもので、どんな手順で私たちに届くのか。不安解消の一助になりそう」(ジ)

 2016年に長瀬智也主演でドラマ化されたのが「フラジャイル」(講談社)。

「偏屈な病理医が、さまざまな検査を通して論理的に病気の原因(=真実)を導き出す様は読んでいて熱くなります。医療版シャーロック・ホームズです」(今)

 一方、総合診療医の仕事ぶりが題材なのが、「19番目のカルテ 徳重晃の問診」(コアミックス)。

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