作家・黒川博行の「007」偏愛ボンド評 初代コネリーの髪に違和感? (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

作家・黒川博行の「007」偏愛ボンド評 初代コネリーの髪に違和感?

連載「出たとこ勝負」

このエントリーをはてなブックマークに追加
黒川博行週刊朝日#黒川博行
黒川博行(くろかわ・ひろゆき)/1949年生まれ、大阪府在住。86年に「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞、96年に「カウント・プラン」で日本推理作家協会賞、2014年に『破門』で直木賞。放し飼いにしているオカメインコのマキをこよなく愛する (写真=朝日新聞社)

黒川博行(くろかわ・ひろゆき)/1949年生まれ、大阪府在住。86年に「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞、96年に「カウント・プラン」で日本推理作家協会賞、2014年に『破門』で直木賞。放し飼いにしているオカメインコのマキをこよなく愛する (写真=朝日新聞社)

※写真はイメージです (GettyImages)

※写真はイメージです (GettyImages)

 ギャンブル好きで知られる直木賞作家・黒川博行氏の連載『出たとこ勝負』。今回は映画「007」シリーズのジェームズ・ボンドについて。

*  *  *
 コロナウイルス禍のあおりで『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』が公開延期になったので、レンタルビデオショップに行き、007シリーズをまとめて借りてきた(なにせ二十四作もあるから欠品もあるし、あほくさいと知っているものは借りなかった。以下、早送りしたり、飛ばし飛ばし見た、偏向、偏愛のボンド評です)。

 第一作『ドクター・ノオ』は大しておもしろくもないが、第二作の『ロシアより愛をこめて』で、ショーン・コネリーがブレイクした。洒脱(しゃだつ)な感じがスパイ役にぴったりで、ストーリーにも以降の作品で失われたリアリティーがあった(ただし、ショーン・コネリーの髪には違和感がある。というより、プロのヘアスタイリストがついていながら、もう少し自然なヅラにできなかったのか。ショーン・コネリーはこのあとヅラをとって『アンタッチャブル』『薔薇の名前』などに出演し、ほんもののいい俳優になった)。ちなみに、この作品に登場したダニエラ・ビアンキが歴代ボンドガールの中でいちばんだと、わたしは思っている。──えっ、ちがう? 好みですから。

 第三作『ゴールドフィンガー』から荒唐無稽度が増して、第四作『サンダーボール作戦』あたりになるとストーリーそっちのけで派手なシーンばかりを追うようになった(この映画は高校二年生の冬休み、隣の高校の真知子ちゃん<仮名です>との初デートで見た。ミナミの南街劇場は超満員で立ち見をしたから、真知子ちゃんは背伸びをしても字幕が見えず、おまけに誰かにお尻を触られたと、怒りがわたしに向かい、映画館を出るなり、ぷいと帰ってしまった。そんなことなら、おれが触ったらよかったと思ったのは、後の祭りというものだろう。かわいい真知子ちゃんとのデートはその一回きりだった)。


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

続きを読む

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい