木村:重要なご指摘です。メアさんのお話にありましたが、私は安倍政権が米国からFMS(対外有償軍事援助)でF-35戦闘機やオスプレイなど高額兵器を大量購入していることに疑問を感じます。整備のためのパーツを米国に注文しても送ってこないから稼働できないといいます。陸上イージスについても全く試験もせずに導入した。必要な装備品があるのに、何で政治が勝手に決めてしまうのか。現場の自衛官からは不満の声が上がっています。

メア:ミサイル防衛は不可欠でしょう? 陸上イージスは最新鋭のレーダーですから、優れた機能を持っています。具体的な脅威に対処するには何の能力と技術が必要であるか考えるべきです。よくFMSが多すぎるとの反発がありますが、F-35のようなステルス性を持つ第5世代戦闘機は日本では製造されていません。技術の問題だけではなく、予算も足りない。中国は10年後には少なくとも350機のステルス機を配備するから、日米で一緒に対処するしかない。

木村:防衛装備の国産化を阻んでいるのは米国です。しかも、日本はあまりにも無批判に米国に追従しています。例えば、03年のイラク戦争では日本が最も早く米国を支持しています。攻撃の口実だった大量破壊兵器は結局、見つからなかったが、日本は何の検証もしていません。自民党の人たちは米国に従うのが国益だと判断しているのでしょうが、あまりにも情けない。

■横田ラプコンで羽田が発展せず

山崎:当時、小泉総理から「安保に関してはわからない。拓さんに任せる」と言われて(笑)、進言した立場ですから、木村さんのお咎めは私が負わなければなりません。事実関係を言いますと、パウエル国務長官とアーミテージ副長官が来日された時、私は幹事長をしており、公明党の冬柴(鉄三)幹事長と保守新党の二階(俊博)幹事長(現・自民党幹事長)の3人でお会いしたのです。イラクに軍事介入するので賛成してほしいとお話があった。本当に大量破壊兵器を保有しているのか、何度も確認しましたが、まちがいないという。私たちは日米同盟堅持の立場から、小泉総理に賛成するよう進言しました。

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