稲田伸夫・検事総長(左)と森雅子法相 (c)朝日新聞社
稲田伸夫・検事総長(左)と森雅子法相 (c)朝日新聞社
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「安倍政権が決めた東京高検の黒川弘務検事長の定年延長を静岡地検の神村昌通検事正が会議で堂々と批判したことを報じた週刊朝日の記事(2月24日オンライン版で配信)が検察庁内で話題になっています。東京高検の同期の検事からも『神村の実名が載った<検察の乱>という記事が出ているぞ』と連絡がありました。よくぞ言ってくれたという人が内部でも多い。静岡地検には神村検事正頑張れという、応援の電話などもあったと聞きました」(現職の検事)

 黒川検事長の定年延長問題では国会で新たな“爆弾”が投じられた。

 小西洋之参院議員(無所属)が国立公文書館で1980年10月の「国家公務員法の一部を改正する法律案(定年制度)想定問答集」という文書を発見。そこに当時の政府が「検察官には定年延長は適用されない」との真逆の見解を示したことが記されていたのだ。

 検察官の定年は、検事総長以外は検察庁法で63歳と定められている。

 だが、安倍政権は黒川氏の定年延長を国家公務員法の条文をもとに強引に閣議決定した。

 問題が指摘されると安倍首相らは国家公務員法を検察官にも適用できるという法解釈を国会で答弁。

 だが、小西議員が国家公務員法では「検察官には定年延長は適用されない」という文書を発見し、万事休すとなった形だ。

 小西氏は2月26日、自身のSNSで法務省の混乱した様子をこう綴っている。

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