<「解釈変更以前に検察官は何法の何条で退職していたのか?」の問いに丸一日経っても回答ができない法務省と内閣法制局。勤務延長は「国家公務員法81条の2で退職する者」しか使えないため、「検察庁法22条」と答えると黒川検事長の閣議決定が違法になってしまう。法治国家が崩壊している>

 森雅子法相も、国会で定年延長問題を追及されて、しどろもどろになり、何度も答弁を修正。不安定な答弁が続いている。

 森法相は、2度目の入閣。2012年から14年にかけては、内閣府特命担当大臣、特定秘密保護関連担当大臣だった。特定秘密保護関連担当大臣だった当時も森氏は、連日、国会審議で野党から攻められて防戦一方だった。自民党内からも不満の声が漏れ始めた。

「特定秘密保護法、ゴーン被告の逃亡、黒川氏の定年延長と森さんが大臣になると国会が荒れる。そういうキャラなのかと、党内で話題になっている。あれだけ答弁がコロコロと変わると国民に説明がつかない。国会でメイクはバッチリ決めてくるんだから、答弁もそろそろバッチリ決めてほしいね」(自民党のベテラン議員)

(今西憲之)

週刊朝日  2020年3月13日号

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今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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