いよいよ本番が近づいてくると受験生も落ち着けなくなるものですが、やりたい項目をひとつひとつ済ませることに集中しましょう。スケジュールを横に、粛々と過ごすこと。試験前日までに気になるところに目を通したら、それが安心と自信につながります。

 そろそろ本番の試験の時間帯を意識した生活にするのもいいかもしれませんが、几帳面に考える必要はありません。大切なのは、朝起きて「今日も頑張るぞ」と思えることです。入試の時間割の順番に過去問を解く受験生もいますが、朝起きて、得意な科目から取り掛かる方法もあります。東大の1日目は国語から始まりますが、数学が好きな息子たちは朝一で数学から解く一方、娘は「朝から数学はしんどい」と国語から始めていました。そこは、気楽に考えてもいいと思います。

 滑り止めとして受ける大学の過去問も解いておきたいですね。何も知識なしで受けて合格できるほど、どの大学も甘くはありませんから。最初に受ける大学には必ず合格し、気持ちよく本命の入試に臨みましょう。

 私立大学を受験する場合、第1志望の過去問は5年以上、第2志望、第3志望も3年以上は解いておくと安心です。私立大学はそれぞれ問題に特徴があるので、必ず計画を立てること。A大学の数学は1問につき20分、英語の文法は10分、整序問題は20分、長文読解問題は30分といったように、親子で作戦会議をして、親御さんは紙にまとめてあげるといいでしょう。受験生は、その紙を握りしめて受けに行くのですよ。

 将来、振り返って「人生で一番勉強した時期だった」といえるようにラストスパートを全力で頑張ってください。(構成/庄村敦子)

週刊朝日  2020年2月7日号