医学部入試がブラックボックス化するわけ 女性・浪人差別の深い闇 (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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医学部入試がブラックボックス化するわけ 女性・浪人差別の深い闇

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岩下明日香,多田敏男週刊朝日
第三者委員会の調査で不正入試が判明した聖マリアンナ医科大学。大学病院では難病治療などに力を入れている=川崎市、撮影・多田敏男

第三者委員会の調査で不正入試が判明した聖マリアンナ医科大学。大学病院では難病治療などに力を入れている=川崎市、撮影・多田敏男

聖マリアンナ医科大学は第三者委員会の調査結果を受け入れていない=撮影・多田敏男

聖マリアンナ医科大学は第三者委員会の調査結果を受け入れていない=撮影・多田敏男

一連の医学部不正入試が発覚するきっかけとなった東京医科大学=東京都新宿、撮影・多田敏男

一連の医学部不正入試が発覚するきっかけとなった東京医科大学=東京都新宿、撮影・多田敏男

不正入試が発覚し追加合格を出した順天堂大学=東京都文京区、撮影・多田敏男

不正入試が発覚し追加合格を出した順天堂大学=東京都文京区、撮影・多田敏男

第三者委員会から女性差別の可能性を指摘された昭和大学=東京都品川区、撮影・多田敏男

第三者委員会から女性差別の可能性を指摘された昭和大学=東京都品川区、撮影・多田敏男

 聖マリアンナ医科大学(川崎市)で、女性や浪人生らに不利となる差別的な入試が行われていた。医学部の不正入試は2018年夏以降に相次いで発覚しており、改めて問題の深刻さを裏付けた。

【写真】一連の医学部不正入試が発覚するきっかけとなった東京医科大学

 医学部入試では面接や出願書類が重視されており、外からは採点基準が分かりにくい。「ブラックボックス」のなかで合否が決まるようなものだ。

 第三者委員会の調査で判明した聖マリアンナ医科大の差別的な入試でも、悪用されたのは出願書類の採点だった。調査報告書によると、元入試委員長らは「志願票・調査書」を個別に吟味して採点せず、性別や現役・浪人の区分に応じて、一律的な点数調整をしていたという。

 18年度の採点結果を分析すると、女性は男性よりほぼ80点もの“ハンデ”をつけられていた。浪人生も現役生より点数が低くなっていた。出願書類の採点で大きな差をつけられれば、ペーパー試験でいくらいい成績をとっても合格するのは難しい。

 そもそも入試要項では、出願書類の配点の比重が大きいことは示されていなかった。1次試験(3教科計400点)と2次試験(面接と小論文計200点)の成績に出願書類を総合評価し合格者を決めるとしていた。実際は、18年度の出願書類の配点は180点にもなっていて、入試結果を大きく左右していた。

 ペーパー試験と異なり、出願書類の志願票・調査書の採点基準ははっきりしない。操作されても外からは分かりにくいのだ。

 例えば聖マリアンナ医科大の志願票では、「スポーツ・課外活動・各種大会成績・取得資格」や「本学への志望動機(具体的に)」を記入する欄がある。高校からの調査書には、各教科・科目等の学習記録や特別活動の記録などが記載されている。これらをもとに採点するという建前だったが、客観的かつ明確な評価基準はなく採点者の裁量に大きく委ねられていたという。

 しかも、元入試委員長らは採点や入力の過程で作成した書面類は全て破棄していた。これでは公正・公平な採点がなされたのか後から検証することは難しい。

 元入試委員長らは、個別に適正に採点したと主張している。だが、点数調整をうかがわせるファイルがパソコンから見つかった。性別や現役・浪人の区分などを隠した出願書類を元入試委員長らに「模擬採点」してもらうと、実際の点数と大きく異なった。

 第三者委は元入試委員長らの主張について、「信用性に疑義があると言わざるを得ない」と厳しく指摘している。


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