アダルトビデオ(AV)業界には、何千人ものAV女優がいると言われている。そんな中、81歳でデビューし、84歳の今も現役の“超熟女AV女優”がいる。彼女はなぜこの世界に飛び込んだのか?
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「小笠原さんのデビュー作品発売前にインターネットで告知したら、その当日に、『とうとう80代が出ましたね! 絶対買います!!』という熱心なお客さんの電話がかかってきました」
そう話すのは、当時81歳だった小笠原祐子さん(84)のデビュー作を手掛けた老舗熟女AVメーカー「ルビー」制作部の川邊琢磨さん。年1~2作のペースで小笠原さん主演の新作を制作し、昨年11月にも「お婆ちゃん逆ナンパ」が発売された。
同社は50~80代の女性が出演する熟女ものに特化しており、購入者も60~90代の男性が中心。感想を熱く綴った手紙が届いたり、電話がかかってきたりするという。
「若いAV女優の作品は発売直後に一気に売れてそれまで。でもお婆ちゃんものは何年も売れ続けます。ようやく熟女ものにたどり着いたお客さんが、昔の作品を買ってくれるんです。もちろん小笠原さんの作品は人気があるから、出演をお願いしています」(川邊さん)
熟女ものを多く手掛ける同社でも、80歳を超えてデビューするのは初めて。なぜ小笠原さんは81歳でAVの世界に飛び込んだのか?
昭和10年生まれの小笠原さんは、大手保険会社勤務の父と、しつけに厳しい専業主婦の母のもとに生まれ、箱入り娘として育てられた。有名女子短大を卒業し男性との交際経験がないまま、父と同じ会社で働いている時に夫となる人と出会う。
「京都大学でアメフトをやっていたイケメン! 初めて関係を持ったのも結婚してから。子どもを3人産んだけど、出産時以外は毎日“おつとめ”があったの。朝とか一日に何回も、という時もありました。他の夫婦がどうなのかなんて知りようがないから、私はそれが当たり前だと思ってたの」