今川宇宙。一度聞いたら絶対覚えてもらえそうなほど印象的な名前だが、

「中学生のとき、イラストをネットで発表するために、深く考えずつけた名前なんです。特に宇宙が好きとかでもなく、ずっと使っていこうとも思っていなかったので、何度か後悔したんですけど(笑)。たまに、『“コスモ”さんですか?』と言われたりします(笑)。本名が女の子ぽい名前なので、逆にいいかなって。いまはけっこう気に入っています」

 小さなころから好奇心旺盛、いろんなことに興味をもつタイプだった。

「家族で出かけても、一人でどっかに行っちゃうようなタイプでした。気になったものがあると追いかけていっちゃうみたいな。それで、最後は迷子になって泣きます(笑)」

 2020年の抱負は、今まで以上に芝居をし、スキルをあげていくこと。新たに取り組んでみたいことは、「エッセイを書いてみたい」。

「江國香織さん、松田青子さんに谷川俊太郎さん……あ、一番好きなのはみうらじゅんさんです! 自分の好きなことをあそこまで追求して没頭できて。それだけでもすごいのに、他の人が見てすごく面白いものになっている。あこがれます」

 1月には舞台「やっと味がする。」(ザ・スズナリ)に出演予定。やがて目指すのは、大きな大きな父の背中だ。

「もちろん誇りに思う父なのですが、若干の反骨精神的な部分で、絶対に父を超えなければという気持ちはあります。家ではひょうきんなおじちゃんだったりするんですけどね(笑)」

 お父さんをはじめ、家族は応援してくれているというが、なかなか高い壁だ。そう言うと、

「それはもう、人生をかけた目標ですね。最終的には!みたいな(笑)」

 そう笑う顔は、やはり偉大な父に重なる気がした。

(本誌・太田サトル)

※週刊朝日オンライン限定記事