指定された場合、抗争は減るのか。ある捜査関係者は、「指定されると暴力団の経済活動にも影響が出るので、動きはかなり制限される。抗争も落ち着くのではないか」との見方を示す。

 とはいえ、10月には神戸山口組の中核組織、山健組の2人の組員が射殺され、11月には神戸山口組幹部、古川恵一組長が射殺されるなど抗争がヒートアップしていることは間違いない。

「高山清司若頭が10月に出所して以降、資金力、組員数に勝る6代目山口組が攻勢を強めている。高山若頭は『山口組を一つに戻す』とかねて言っていた。出所後はそれを力で実践しているということだろう。以前から神戸山口組の執行部と話し合うという情報もあったが、その意思はないようだ」(捜査関係者)

 1984年にも山口組の幹部が一和会を結成し、「山一抗争」につながった。

「あの時とは時代が違いすぎる。防犯カメラもGPSもあり、警察が組員の動きを事前に察知できる。それに、神戸山口組にどれほど反撃の余力があるのか。話し合い解決となることを願っているのだが」(同)

週刊朝日  2019年12月27日号