11月には、天皇陛下の即位を祝う祝賀パレード「祝賀御列の儀」が都内で行われた。

 オープンカーに乗った皇后雅子さまは、時折、涙を浮かべ、西日に照らされながら、笑顔で手を振られていた。

 雅子さまが皇室入りされたご成婚パレードの時と大きく変わっていたのは、警備態勢だった。

 パレード前には、沿道に集まる人たちと警察官が対話をするなどソフト警備となり、音楽隊による音楽もヒット曲を演奏するなど実に和やかなムードだった。

 両陛下は同月、即位の礼や大嘗祭を終えたことを報告する「親謁の儀」に臨まれるため三重県の伊勢神宮、奈良県の神武天皇陵、京都府の孝明天皇陵と明治天皇陵を参拝された。

「皇后さまは、神武天皇陵で玉串を持たれて礼拝された際に、上半身を深く曲げられました。一瞬お体が左右にふらつかれたので心配になりましたが、その後は気丈に振る舞われていらっしゃいました。三重県から一度帰京されましたが、その3日後に奈良、京都へ向かわれたので、健康な人でも大変なスケジュールでした。皇后さまもお疲れがたまっておられたのが見て取れました」(宮内庁関係者)

■気持ちの支えは沿道からの声援

 そんな皇后雅子さまのお気持ちを支えていた一つに、沿道に集まっていた人々の存在があったという。

 発表された医師団見解にも<直接おふれあいになる方々からの温かい声や反応に元気づけられておられるようにもお見受けいたします>と記されている。

 両陛下の行く先々の駅や沿道には、2万人以上の人たちが一目見ようと待機している。中には、最前列の場所を確保しようと前日夜から並んでいる人までいた。

 年齢層はまちまちで、若い人から年配の男女までのほとんどが、カメラやスマホを高く上げて両陛下のお姿を捉えようと必死になっていた。

 長い列の黒い御料車から両陛下が降りてこられると、熱気は一気にヒートアップ。

 まるで、コンサート会場さながらの「雅子さま~」「素敵!」といった黄色い声がどこでも飛び交っていた。

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