「中学で必修になってから、ダンス人口が非常に増えました。芸能界も、『ショービジネスの世界で生きていくためには、多少なりともダンスも踊れないと』という時代になっています。国内で活躍するだけでなく、菅原小春さんのように、世界で羽ばたいているダンサーもいます。ダンスは言葉の壁を越える。世界戦略も考えられるでしょう」

 現場に直結したカリキュラムと少人数クラス制を特徴とする。特別講師陣しかり、LDHブランドの強さを生かした取り組みともいえそうだ。

「これまでもダンサーはたくさんいた中で、LDHはボーカリストと対等の立場でステージに立つダンサー、つまり『パフォーマー』を認知させた功績があります。加えて、上の人を立てたり、礼儀作法がしっかりしていたり、体育会系のイメージが強い。今回のスクールはプロを目指す子も集まってくるでしょうから、金の卵も期待できるでしょう」(三杉さん)

 勉学とダンスの両立が大前提となるが、だからこそ、進路の選択肢はぐんと広がりそうだ。

「(吉本興業の)NSC(吉本総合芸能学院)のように、卒業すると、優秀な人はLDHで次世代の予備軍として所属できるようになると思います。そうすると、取るほうも入るほうも双方に希望の持てる、いいやり方だという気がします。なおかつ芸能人の学力コンプレックスも解消できる。若い頃からダンスをやっていたけれども違う道に行きたくなった、という時に、高校卒業の資格があれば、大学を受験することもできるわけですから」(佐々木さん)

 出願資格は来年3月に中学卒業見込み、もしくは既卒であること。東京、名古屋、大阪の3校で各30人を募集する。第1回募集は12月16日から。EXPG高等学院合格後に、別途N高等学校へのウェブ出願が必要となる。エンターテイナーとしての英才教育でどんな人材が生まれるか、注目だ。(本誌・緒方麦)

※週刊朝日オンライン限定記事