「EXPG高等学院」の学長に就任したEXILE TETSUYA。昨年4月、被災地応援企画で岩手県釜石市を訪れ、中学生にダンスを教えた(C)朝日新聞社
「EXPG高等学院」の学長に就任したEXILE TETSUYA。昨年4月、被災地応援企画で岩手県釜石市を訪れ、中学生にダンスを教えた(C)朝日新聞社

 ダンスを学びながら高卒資格を取得できる学校の誕生だ。EXILE(エグザイル)などが所属する芸能プロダクション「LDH JAPAN」のアーティストが輩出してきたダンススクールを運営する「expg」が、来年4月に「EXPG高等学院」を開校することを発表した。通信制学校法人「角川ドワンゴ学園N高等学校」と業務提携を結ぶ。

 次世代のアーティストやダンサーのみならず、演出家やコレオグラファー(振付師)、インストラクターなど、「ダンスを仕事にしたい」という人材を育てるための3年制のスクールだ。

 学長にはEXILE/EXILE THE SECONDのTETSUYAが就任。すでに公表されている特別講師陣には、同事務所に所属する元サッカー男子日本代表のラモス瑠偉、モデルのRIKACO、今年の紅白歌合戦に初出場を果たしたGENERATIONSの中務裕太らが名を連ねる。GENERATIONSは、メンバー全員が、EXPGが運営するダンススクール「EXPG STUDIO」出身だ。

 芸能ジャーナリストの佐々木博之さんは、

「吉本興行をはじめ、そもそも芸能事務所は、養成するスクールというものを持っているところは珍しくない」

 とした上で、同学院をこう評価する。

「すでにダンススクールは世の中にいっぱいありますから、それだけで生徒を集めるというのはなかなか難しい。中高生がダンスをやりたいと思っても、学校に通いながらまた別の学校に行くというのは、お金と時間の面からなかなか大変です。それを合体させるというアイデアに新しさを感じますね。また、スクールに通ってもいいよと子供に言う親の世代は、EXILEグループのファンだったりもするでしょう。それだけに、すんなりいきそうな気もするんですよね。そこも見込んでの展開ではないでしょうか」

 学習指導要領の改訂により、2012年度から中学1、2年の保健体育でダンスが必修になった。これをきっかけに、健康志向も相まって、ダンスブームが到来した。芸能評論家の三杉武さんはこう指摘する。

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「ダンスは言葉の壁を越える」