また、某中学校の修学旅行で、女子の服装規定が細かすぎると訴える人もいた。なんでもスカート禁止、ショートパンツ禁止、スリム禁止、レギンス禁止、と細かすぎる決まり。女子がはくモノにどれだけ執着しているのか!

 また女性の貧困をリサーチする研究者が言うには、東京は家出した女性が性産業に巻き込まれる被害があるが、静岡は自宅から性風俗に通う女性が相当数いるという。父親のリストラなどで、本来生活保護を受けるところを、娘の風俗での働きをあてにする家庭は「珍しくはない」と断言するのだった。

 様々な地域で、毎日のように、女性が女性というだけで軽んじられ、笑われ、値段をつけられ、性暴力を受けている。等しく全国的に日本は男尊女卑という病に侵されてしまっているのだろうか。

 フラワーデモの女性たちと、ときどき黒い笑いで盛り上がる。女が花を持っているうちがチャンスだよ、いつか花じゃなくなるかもしれないからな。いやだ、本気にしないでね。でもそんな脅し文句を思いつき、ワハハと笑いながら、ふと男尊女卑に、「疲れたよ……」と本気のため息をもらしたくなるのだ。

週刊朝日  2019年11月29日号

著者プロフィールを見る
北原みのり

北原みのり

北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。女性のためのセクシュアルグッズショップ「ラブピースクラブ」、シスターフッド出版社「アジュマブックス」の代表

北原みのりの記事一覧はこちら