すべてを見て、思ったこと。BTSは世界のアイドルでした。アイドルのフリしたアーティストという言い方が正しいのかもしれない。日本ではアイドルといえばおなじみですが、世界で、特にアメリカでは日本のようなアイドルってあまりいないですよね。キラキラ感が前に出るような人。いたとしても、アーティスト感が強い。

 おそらくBTSが世界に受けたのは、あまり感じたことのないそのキラキラ感に魅了されたからではないかと。そこに、本人たちのダンス、歌唱、周りを囲むスタッフの音楽性の高さなどが加わり、世界のアイドルとなった。だからこそ思う。日本にもチャンスはあるなと。アイドル大国日本。決してアメリカ仕様に英語で歌うのではなく、日本語で勝負する。ネットを使って、そのキラキラ感で勝負する。BTSがこじ開けたその扉はとてつもなく大きい。

 これからアイドルが世界で羽ばたく時代が来た。BTSのライブを見てそう思いました。ちなみに、BTSのライブの一番最後、空に300台のドローンが飛んできて、音とともに映像も形も変化していくその演出。格好いーーーーーー!

週刊朝日  2019年11月22日号

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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