更生を語っていた田代まさし(C)朝日新聞社
更生を語っていた田代まさし(C)朝日新聞社
逮捕された田代まさし(C)朝日新聞社
逮捕された田代まさし(C)朝日新聞社

 タレントの田代まさし容疑者が、宮城県塩釜市内で覚せい剤を所持していたなどの容疑で11月6日、東京都杉並区で現行犯逮捕された。宮城県警は今年8月、田代容疑者が宿泊した塩釜市内の宿泊施設から「部屋を使用していたのではないか」との通報を受け、内偵捜査していた。

【写真】逮捕された田代まさし

 過去4回、薬物関係で逮捕され、2度の服役を経験している田代容疑者は、計7年間、刑務所で過ごしている。2014年7月に出所後は、薬物依存症患者のリハビリ、更生施設「ダルク」のスタッフとして仕事をしていた。

 田代容疑者を長く支援してきた、月刊誌「創」の篠田博之編集長はこう肩を落とした。

「前回の服役後、ダルクが受け入れてくれて、そこに毎日通って、スタッフとして頑張ると決意を語っていた。薬物依存症患者の更生で評価が高い、ダルク。先方も、ぜひ更生させたいと話しておられ、今度こそ大丈夫だと信じていたのですがね」

 田代容疑者の知人によれば、出所後は毎日、ダルクに決まった時間に通い、電話番などの仕事に従事していた。ダルクでは、大きな責任を負うような仕事はなかったという。

「毎日、決まった時間に姿を見せることが大事。それが継続できれば、もし薬物に手を出すなどあれば、何か変化、兆候がわかる。田代容疑者は、キチンとスタッフとして働いていたと聞いていました」(前出の篠田さん)

 ダルクで更生に務めていた、田代容疑者は、出所した翌年、法務省主催の「社会を明るくする運動 立ち直りフォーラム」にダルクの近藤恒夫代表とともにスピーチ。

「自分の意思でやめることに意味がある。回復するための環境が必要」などと訴えていた。

 最近では、薬物依存症についての講演に呼ばれることが多くなっていた。

「出所してどう過ごすのかが、大事。今でも、覚醒剤やりたいと思うこともある。しかし、ダルクのスタッフになり、そこには同じような境遇の仲間がいて、クスリはダメだと励ましあうことができるので、安心してやっていける」などと語っていた。

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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