ウエルシア「オーガード新宿店」の店頭に並ぶマスク=10月21日(C)朝日新聞社
ウエルシア「オーガード新宿店」の店頭に並ぶマスク=10月21日(C)朝日新聞社

 数年前あたりから黒系のマスクを街で多く見かけるようになった。最近ではポリウレタン製でパステルカラーのカラフルなマスクを着用する人の姿も多く見られる。ドラッグストアやコンビニなどでも、耳が痛くならないマスク、保湿力の高いマスクなど、用途に応じた数々のマスクが店頭にならぶ。

 大手ドラッグストアチェーンのココカラファインの担当者によると、

「最近では『PITTA MASK(ピッタ・マスク)』(アラクス)というポリウレタン製のものが人気です。カラーの豊富さやデザインなどファッション性の高さが人気の理由とみていいのではないでしょうか」

 女性には柔らかなパステルカラー、男性にはネイビーやカーキといったシックカラーなど豊富な商品展開も魅力のひとつだ。

「『のどぬ~るぬれマスク』(小林製薬)をはじめとした保湿効果の高いマスクも人気があります」(ココカラファイン担当者)

 昨今のマスクの流行事情について、ストリートファッションの定点観測をもとに若者のファッションを研究している共立女子短期大学の渡辺明日香教授は、まず黒マスクについて、こう語る。

「ストリートで黒マスクをしている人は、全身黒だったり、パンクやビジュアル系、モード系のファッションをしています。これらの装いにふさわしいアイテムとして、黒マスクが好まれているようです。顔の半分が黒く覆われるので、髪色は、プラチナや紫、緑などカラーリングをしているのも特徴です」

 ポリウレタン製のマスクの流行については、こう分析する。

「『PITTA』のようなポリウレタン製のマスクは、学生にも人気があります。服や髪の色に合わせて選べるファッション性と、花粉などをシャットアウトし、長時間かけても耳が痛くならず、顔にマスクの跡もつかないという機能性、双方を兼ね備えている点が支持を集めている理由だと思います。最近は、服やバッグ、スニーカーなどおしゃれで機能性が高く、かつリーズナブルな商品が人気なので、マスクもそうした品定めの基準に即したものが好まれるのではないでしょうか」

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