調査会社の富士経済によると、家庭用マスクの売上高は2009年に新型インフルエンザの世界的流行で340億円になった。翌10年に150億円まで落ち込んだが、それから年々増え、19年は358億円が見込まれている。

 定点観測を行うなか、ある特徴がみられると、渡辺教授は指摘する。

「家庭用マスクの市場規模は、花粉症の増加率以上の伸びがあるように感じます。白マスクも含め、マスクの着用率が増加するにつれ、サングラスをかける人が減少しました。マスクにサングラスだと、顔を覆いすぎてしまいます。スマートフォンの普及とマスクをつける人の増加が一致し、サングラスが減っているのは、サングラスでスマートフォンを見ると、画面が暗く操作しにくいため、顔を隠せる安心感を担保するアイテムとして、サングラスの代わりにマスクが付けられるようになったという可能性もあるかもしれません」

 近づく冬。街にはさまざまなマスクがあふれかえりそうだ。(本誌・太田サトル)

※週刊朝日オンライン限定記事