ピアニスト・上原ひろみが世界ツアーで実感「私、生きている!」 (1/4) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

ピアニスト・上原ひろみが世界ツアーで実感「私、生きている!」

このエントリーをはてなブックマークに追加
神舘和典週刊朝日
上原ひろみ(うえはら・ひろみ)/1979年生まれ。静岡県出身。米ボストンのバークリー音楽院在学中の2003年に名門レーベル、テラークと契約し、アルバム『アナザー・マインド』で世界デビュー。『スパイラル』『プレイス・トゥ・ビー』『SPARK』など10枚のオリジナル作を発表。11年には『スタンリー・クラーク・バンド フィーチャリング 上原ひろみ』で第53回グラミー賞「ベスト・コンテンポラリー・ジャズ・アルバム」を受賞。 (撮影/写真部・東川哲也)

上原ひろみ(うえはら・ひろみ)/1979年生まれ。静岡県出身。米ボストンのバークリー音楽院在学中の2003年に名門レーベル、テラークと契約し、アルバム『アナザー・マインド』で世界デビュー。『スパイラル』『プレイス・トゥ・ビー』『SPARK』など10枚のオリジナル作を発表。11年には『スタンリー・クラーク・バンド フィーチャリング 上原ひろみ』で第53回グラミー賞「ベスト・コンテンポラリー・ジャズ・アルバム」を受賞。 (撮影/写真部・東川哲也)

上原ひろみさん (撮影/写真部・東川哲也)

上原ひろみさん (撮影/写真部・東川哲也)

 ソロピアノ作『Spectrum』を発表して世界ツアー中の上原ひろみ。初日はポーランド。そしてモスクワ、チューリヒ……。作曲中に想像していたオーディエンスの姿と対面する旅が続く。

*  *  *
 9月18日、ピアニストの上原ひろみはソロピアノアルバム『Spectrum』をリリースした。アルバムのテーマは「色彩」。

「この何年かでピアニストとしての自分が一番成長したのは、音色のバリエーションが豊かになったことだと感じています。そこで、さまざまな色をテーマに曲を作り、ピアノ一台でレコーディングしました」

 ピアノでの表現力が明らかに増した。

「フォルテシモでも、轟くような響きだったり、情熱的だったり。または、濃い赤だったり、鮮やかな赤だったりを表現できるようになったと感じています」

 その『Spectrum』の曲を持って、ひろみは日本を出発。10月1日(火)からツアーをスタートした。

「さあ、いよいよツアーが始まるぞ!」

 という気持ちがひろみに漲(みなぎ)ってきた。

「アルバムツアー初日はポーランド。9月30日(月)の午後に羽田を発ち、フランクフルト経由で、グダニスクに入りました」

 10月1日からのコンサートでは、すべて新曲を演奏した。1曲目はアルバムと同じ「カレイドスコープ」。このタイトルは、日本語で“万華鏡”。ピアノ一台で演奏しているとは思えないほど色彩豊かな曲だ。

「グダニスクは初めて訪れる街でした。ポーランドではまだアルバム発売前で、お客さんたちは初めて私の音楽を体験します。グダニスクにようこそ、という歓迎の気持ちと初めての音楽を聴いた驚きが、ステージに伝わってきました」

 翌日2日(水)にはグダニスクを離れ、ワルシャワ経由で3日(木)にロシアの首都、モスクワへ。4日(金)にモスクワ・コンサヴァトリー・グレート・ホールで演奏した。100年以上前に建てられたこのホールは、世界3大コンクールの一つ、チャイコフスキー国際コンクールが開催されている会場でもある。

「歴史あるホールです。楕円を描く2階席の上から、バッハやシューベルトの肖像画が見下ろしています」

 開演前は調律師がピアノのコンディションを整える。そして、ピアニストは会場の響きを確認し、ピアノに自分の体をなじませていく。


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

続きを読む

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい