そして同じ日、日本郵政の鈴木康雄副社長(元総務事務次官)が、番組の取材手法について、「暴力団と一緒」とコメントした。「取材を受けてくれるなら(情報提供を呼び掛ける)動画を消す」と言われたと説明し、「そんなことを言っているやつの話を聞けるか。それじゃ暴力団と一緒でしょ。殴っておいて、これ以上殴ってほしくないならもうやめてやる、俺の言うことを聞けって。ばかじゃないの」と不満を述べた。巨大なグループの幹部であるなら、取材を受ける義務があると思うけど。NHKも被害者じゃない。公共放送なら、抗議に負けず報道しなきゃならないだろう。

 そして、この話のオチ。

 高市早苗総務相が最後に登場ってこと。4日の閣議後会見で、郵便物の土曜配達をやめる法改正案について、「かんぽ生命保険の不適切営業に対する日本郵政グループの対応も含めて、国民の理解を得られるかどうか十分に見極める」だって。

 はあ? 国民の理解? この人過去に、一番の上から目線で、「電波停止もありうる」てテレビ局を脅した人だよね。

週刊朝日  2019年10月25日号

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室井佑月

室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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