「ドクターX ~外科医・大門未知子~」の1話の場面写真
「ドクターX ~外科医・大門未知子~」の1話の場面写真

「このまま『ドクターX』もできなくなっちゃうんじゃないかって」

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 10月7日、テレビ朝日の人気ドラマシリーズ「ドクターX ~外科医・大門未知子~」の制作発表会見で、自身の病気について明かした女優の米倉涼子さん(44)。まっすぐ歩けなくなったり、やる気が起こらなくなったりする症状があったという。

 病名は「低髄液圧症候群」。この病気に詳しい、東京医科大学整形外科准教授の遠藤健司医師は、「脳脊髄(せきずい)液減少症とも言い、脳や脊髄を包む硬膜やくも膜から脳脊髄液が漏れている状態」だと説明する。脳は通常、髄液のなかで浮いているため、漏れて量が減ると脳の位置が下がる。そのため、さまざまな症状が起こるという。

 きっかけは交通事故やスポーツでのアクシデントなどが多いが、妊娠・出産で生じる例もある。代表的な症状は「起立性頭痛」。体を起こしたり、立ち上がったりしたときに強まる頭痛で、市販の痛み止めが効かない。このほか、人によっては微熱やめまい、吐き気、集中力や記憶力の低下といった症状も起こる。遠藤医師によると米倉さんの症状も当てはまるという。

「この病気では多くの場合脱水が起こっているので、まずは水分摂取を勧め、その上で点滴での水分補給を試みます。それで症状が改善しなければ、『硬膜外自家血注入療法(ブラッドパッチ)』という方法がとられます」(遠藤医師)

 ブラッドパッチとは、髄液が漏れている付近にあらかじめ採取しておいた自分の血液を注射する治療法。血液に含まれる癒着成分が、硬膜やくも膜を覆う役割をしてくれる。これを1~数回にわたって行う。2011年に脳脊髄液減少症の画像検査の診断基準ができ、ブラッドパッチは学会が定めた基準に合えば、保険診療の対象となる。

 米倉さんはドクターXを監修する脳外科医に相談し、処置を受けたとのこと。具体的な治療内容はわからないが、米倉さんの公表は悩む患者を励ますことにもつながる。

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