飯森裕次郎容疑者の身柄が確保された大阪府箕面市の山中(撮影/今西憲之)
飯森裕次郎容疑者の身柄が確保された大阪府箕面市の山中(撮影/今西憲之)
飯森裕次郎容疑者が寝ていた箕面市の山中のベンチ(撮影/今西憲之)
飯森裕次郎容疑者が寝ていた箕面市の山中のベンチ(撮影/今西憲之)
逮捕された飯森容疑者(大阪府警提供)
逮捕された飯森容疑者(大阪府警提供)

 大阪府吹田市の大阪府警吹田署千里山交番前で16日早朝、古瀬鈴之佑巡査(26)が刺され、実弾入りの拳銃が奪われた強盗殺人未遂事件で、17日午前6時半ごろ、逮捕された、飯森裕次郎容疑者(33)は大阪府箕面市の山中で身柄を確保された。

【飯森容疑者が寝ていた箕面市内の山中のベンチ】

 発見時は寝ていたとみられ、抵抗する様子はなかったという。この逮捕劇を目撃した男性がその様子を証言した。

「毎朝、犬の散歩に行く(箕面市内の)山道に入ろうとすると、警官が来て『犯人の身柄を確保したので立ち入り禁止』と制止されました。『犯人ってあの千里山の交番の事件ですか』と警官に聞くと、『そうです』と答えた。それで山道に入れなかった」

 捜査関係者によると、飯森容疑者は北千里山から北へ向かい、箕面市内のコンビニエンスストアに立ち寄っていたという。コンビニの近くから山道が伸びており、警官らは箕面山中を重点的に捜査をしていた。

 男性はこう続ける。

「その数分後、警官7~8人に囲まれた飯森容疑者が山の中から山道に出てきた。警官らは防弾盾4枚を抱えていた。飯森容疑者は抵抗する様子などは見られず、頭からフードをスッポリとかぶっていました。いつもは静かなところなので、こんな騒ぎになり、本当にびっくりした」

 前出の捜査関係者によると、飯森容疑者は箕面市にも土地勘があったという。

「山の上と下で挟みうちにするような形で捜査員を投入した。拳銃を持っているので防弾の盾を用意して、慎重に確保した。飯森容疑者は山道のベンチで自分のリュックサックを枕にするような恰好で寝ていた。拳銃はコンビニのビニール袋に入れ、ベンチの下に置いていた。名前を聞くと、『飯森です』というので逮捕状を執行した。抵抗もせず、素直に従っていた。G20開催までに容疑者を捕まえられ、ホッとしている」

 飯森容疑者の生まれは神奈川県だが、育ちは襲撃現場に近い大阪府吹田市だという。通報した父親は在阪メディア役員で、飯森容疑者は大阪府内の中学校から公立高校に通い、東京の大学に進学するまで吹田市周辺にいたという。

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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