5月14日に公開された「内奏」の写真=宮内庁提供
5月14日に公開された「内奏」の写真=宮内庁提供

 最近、安倍晋三首相と皇室が交わると、物議を醸すことが多いようだ。

 5月14日、安倍首相が天皇陛下に国政を報告する「内奏」が行われた。令和初となるこの内奏は、注目を集めることとなった。

 まず、宮内庁は、宮殿・鳳凰の間でにこやかに対面する天皇陛下と安倍首相の動画と写真を即日公開する異例の対応をとった。

 そもそも、首相や閣僚が天皇に国政を報告する「内奏」は、宮内庁長官や侍従長でも立ち会うことができず、ふたりだけで行われる。もちろん内容は非公開。写真の公開も珍しく、平成では前の天皇陛下が80歳になった2013年に初めて公開された。

「令和の天皇に仕える侍従職は、前例にとらわれずに、動いていこう、という姿勢をみせています」(皇室ジャーナリスト)

 という側面もある一方で安倍政権が公開させた、という声もあがり、主要野党は「天皇の政治利用だ」とそろって声をあげた。

 騒ぎは、終わらない。

 5月20日、宮内庁の西村泰彦次長は、記者会見の場でこう言い放った。

「ありえない」「上皇陛下に対して非礼で尊厳を傷つけるものだ」

 西村次長が問題にしたのは、16日付の毎日新聞に掲載された記事である。

 内奏が行われた14日夜に首相は、新元号発表に関わった官邸幹部らと会食した。さらに、関係者の話として首相のこのような発言が掲載されたのだ。

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