創通の株価は、発表した翌日には一時前日比190円高の2190円まで上昇し、年初来高値を更新した。株主優待は株価を刺激する要因になるが、逆パターンもある。ファミリーレストランを展開するココスジャパンは19年3月期業績の下方修正と同時に株主優待の休止を4月15日に発表し、翌日の株価はストップ安となる前日比500円安の1738円に急落した。

「株主優待は個人投資家の買い材料ともなれば売り材料ともなる『諸刃の剣』。業績の修正だけならば、業績回復への期待から売りを躊躇(ちゅうちょ)する投資家も、株主優待が休止もしくは廃止となれば、中長期保有の魅力が薄れて、売るパターンが増えている」(証券会社営業担当)

 では、どのような優待が魅力的なのか。

 カリスマ優待主婦のまる子さんは「日常よく使うスーパーマーケットの株主優待を持っていれば、節約に一役買います。また、商品の詰め合わせなどもあり、新商品やイチオシ商品、定番の商品を楽しむことができる。地方特産物をもらえるものでは、知らなかったおいしいものにも出合えるチャンスです」。

 株主限定グッズの贈呈やイベント参加、工場見学など「特別感」を味わえる優待もあるという。株主優待は未知との遭遇も提供してくれるのだ。

 このような株主優待生活の実践は、ちょっとした知識を身につければ誰にでもできる。知識として必要となるのが、株主優待を受けるための権利の確定のタイミングだ。通常、権利の実質的な割当日は月末営業日だが、この日から3営業日前までに株主となっておく、つまり買っておくことが必要となる。

 これを「権利付き最終日」といい、土曜日、日曜日、祝日を除いた日数で数える。この「権利付き最終日」の翌営業日が「権利落ち日」で、権利の確定は次回となるので、うっかりもらい損ねないように覚えておきたい。

 ちなみに、株主優待の権利確定は、一般的に配当の権利確定と同じタイミングだ。ただし、今年7月からルールが変更になるため注意が必要だ。

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