日中は、5分くらいの睡眠をとるのが「脳疲労」のオフにいいという。昼食後、横になるのではなく、机などに突っ伏して目を閉じたり、うたた寝するだけでもかまわない。

「このような5分くらいの睡眠を『マイクロナップ睡眠』と言います。これで体の疲れがとれるわけではありませんが、ホルモンバランスを整える効果はあるので、午後の職場で感じるストレスなどは軽減することができるでしょう。脳が疲れていると、判断力も鈍りますから仕事も家事も効率が悪くなり、疲れが倍増するだけです。昼間はこのように少しの睡眠をとって、脳をリセットしましょう」

 そして体が疲れ気味のときは、午後の甘いおやつは控えめにすることも大切だ。

「よく『甘いものを食べると疲労回復する』と言われていますが、甘いものをパクパク食べて血糖値が急激に上昇すると、副腎から無理してコルチゾールを絞り出す作用を招きます。そうすると結果的に『副腎疲労』が増し、逆効果になってしまいます。甘いものを食べると脳の中でベータエンドルフィンという神経伝達物質が分泌され、一時的には疲れを忘れることはできますが、根本的な疲労回復にはつながらないのです」

 逆に控えないほうがいいのは、「定期的な運動です。体が疲れ気味だから動かない、家から出ない。これでは血流の悪い体になって、慢性的な倦怠感が抜けなくなります。無理する必要はありませんが、毎日少しのウォーキングでも欠かさないことです。きちんと運動して血管を拡張し、全身の血流がスムーズな状態を保てるようにしましょう」。

 副腎にも血管にも余分な負担がかからない生活を心がける。それが杉岡さんが考える“隠れ疲労を体に抱え込まないポイント”と言えそうだ。

週刊朝日  2019年5月17日号