「来ていただくのが一番難しいとされる人たちですが、彼女たちも友達が通っていて成果が出ていると気になるようです。そして、『あなたも行ったら』がきっかけになったりします」

 そう、カーブスの拡大は「口コミ」に支えられているのだ。そして、

「膝が悪い人に、『海外旅行を再開できるように頑張りましょう』といったワクワクする目標を立てられれば、続けていただきやすくなります」(安川マネジャー)

 やはり「ワクワク感」は大人世代向けビジネスのキーワードのようだ。

 先の博報堂「新大人研」の阪本所長は、消費にとって決定的な変化が5、6年先に来ると予想している。

「そのころ団塊の世代に次ぐ人口の大きな塊である『団塊ジュニア』が50代に入ります。大人世代を牽引する団塊と、その子供である団塊ジュニアが同じカテゴリーに入るんです。50代以上が主流になる決定的要因になると思います」

 まさに大人世代がモノを買う大きな集団になるのだ。若者志向だけでは先細りし、行き詰まってしまうだろう。大人世代への目配りを始めない企業は、もう遅れを取り戻せないかもしれない。(本誌・首藤由之)

週刊朝日  2019年4月26日号

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首藤由之

首藤由之

ニュース週刊誌「AERA」編集委員。特定社会保険労務士、ファイナンシャル・プランナー(CFP🄬)。 リタイアメント・プランニングを中心に、年金など主に人生後半期のマネー関連の記事を執筆している。 著書に『「ねんきん定期便」活用法』『「貯まる人」「殖える人」が当たり前のようにやっている16のマネー 習慣』。

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