岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office

 動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、チェコ・ホラショヴィツェの「スピードが大事猫(にゃん)」です。

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 18世紀から19世紀にかけて建てられた、南ボヘミア地方特有のバロック様式の家が並ぶ、世界遺産、ホラショヴィツェ。

 村の農家で暮らす猫に会いに行くと、これまた歴史的建造物のような納屋の2階で、牛の飼料の藁をベッドに寝泊まりしていた。

 垂直に近い角度の梯子(はしご)に躊躇(ちゅうちょ)して下から声を掛けると、顔を見せたと思いきや飛ぶように下りてきた。落ちるような速さに息を呑むも、そこはバランス感覚に優れた猫、遅いほうが危ないのかもしれない、と思いつつ見るたび息を呑むヒトであった。

デジタル岩合
http://www.digitaliwago.com/

週刊朝日  2019年4月19日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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