「毎日掃除をしなくても清潔でいられるような機能がついた時短商品は、高齢者だけでなく子育て世代にも人気です」(同社広報部)

 キッチンや浴室商品も時短&節約型のものがある。

「浴室の『ほっカラリ床』という床は水はけが良く掃除も楽で畳ほどの柔らかさですし、『魔法びん浴槽』を選べば、4時間後の温度低下は2.5度以内に抑えます。家族が入るたびに温め直す必要もありませんので、年間のガス代は約3200円おトクになります。『魔法びん浴槽』の標準仕様であれば、70万~80万円ぐらいからあります」

 節水型のシャワーにすればさらにガス代も水道代も節約になる。100万円近くのリフォーム代を払って、ランニングコストで元を取れるとは言い切れないが、いつもぽかぽかお風呂に入れる幸せと、省エネ生活をしている意識で満足度は大きいといえるだろう。

 キッチンの蛇口も「エコ仕様」のものに変えてさらに節約生活が可能だ。水とお湯の境に「カチッ」とクリック感をつけた蛇口にすれば、無意識にお湯を使うことが防げて、ガス代節約にもなる。三井不動産リフォームでリフォームの設計を担当する関谷友美さんはこう話す。

「リフォーム前は省エネやランニングコストが低くなることを優先に考えていた人も、リフォーム後は生活が想像以上に楽になったのでそれが何よりだ、と言いますね。ほとんどの人が『こんなに気持ちよくなるんだったら、もっと早くやればよかった』と。ご高齢の方は浴室が暖かくなると特にお掃除が楽になることが嬉しいとおっしゃいます」

 浴室にベンチカウンターや乾燥暖房機を付けることで入浴しやすくなり、入浴時の不安がなくなる人も多いという。設備の進化はめざましい。住まいの近くのショールームで実際に見てみるのもよい。リフォーム済みの室内を公開する「リフォーム済み物件現場見学会」というのもある。

「お客様のお宅に行って『よくこれまで我慢してきましたね』と言わずにはいられないこともあります。皆さん、寒くてもずっと我慢して暮らしているんです」(関谷さん)
 
(本誌・大崎百紀)

週刊朝日  2019年4月5日号