立教大学 (c)朝日新聞社
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経営学科のオープンキャンパス
経営学科のオープンキャンパス
中原淳教授
中原淳教授

 看板学科の評価が大学のブランド力を示す時代となった。大学の顔である「至高の学科」を訪ねる。初回は立教大学・経営学科。

【写真】経営学科のオープンキャンパス

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 ミッション系として女子学生から絶大な人気を誇る立教大だが、名実ともに看板学科として受験生の注目を集めるのが経営学部経営学科だ。早慶に匹敵する学科をめざして2006年に誕生。河合塾の最新の偏差値は65.0をはじき出し、難易度では早慶に肩を並べた。

 看板科目はビジネス・リーダーシップ・プログラム(BLP)。全員履修の科目で、自分の強みを生かしてチームに貢献する力を磨く、他ではないような取り組み。1クラス30人程度で春学期に企業が抱える課題解決に取り組み、秋学期はコミュニケーションなどのスキルを強化していく。

 1月中旬、キャンパスは高校生であふれた。授業体験型のオープンキャンパスが開催され、北海道や福岡、さらにはロンドンやシドニーなどから約350人が集まった。体験授業の集客、運営を担うのは経営学科の1年生らだ。

 ガイダンスでは学部・学科を説明。途中から会場の高校生を巻き込み、一緒に「U.S.A.」などのダンスを踊る。授業体験前のウォーミングアップだ。その後、高校生を5人1グループに分け、「論理思考」の方法についてわかりやすく説明。日頃の“授業”を展開する。

 参加した高校生からは「理系の道しか見ていなかったが、視野が広がった」「自分の意見が言えず、『それでは通用しない』とアドバイスされ、刺激を受けた」と声が上がる。例年、この体験授業の参加者の10%以上が入学している。「1年生の姿を見て、こんな先輩になりたいと思って志願する高校生が多い」(和田務・入学センター課長補佐)。BLPを運営する学生の姿は“未来の立教大生”に向け、まばゆいばかりのメッセージとなっているのだ。

 通常の授業は、掲げられた目標や課題に取り組み、それを振り返り、SNSでクラスに報告する。こうしてリーダーシップのスキルを効率的に学ぶ。

 体験授業の運営は、その“試金石”でもある。担当する高橋俊之特任准教授は「学生たちを“舞台”に上げることで、本気になれる環境を作っている」と狙いを語る。

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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