※写真はイメージ (Getty Images)
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総住宅数、空き家数及び空き家率の推移 (週刊朝日 2019年3月1日号より)
総住宅数、空き家数及び空き家率の推移 (週刊朝日 2019年3月1日号より)

 2013年の日本の総住宅数は6063万戸。そのうちの空き家数は820万戸で、空き家率は13.5%。18年の最新データは本年4月以降に公表されるが、空き家は物件そのものが犯罪に利用されることもあれば、その周囲に被害をもたらすこともある。空き家の防犯対策はまず。「家の敷地内の見通しをよくしておくこと」というが、他には何があるか。赤根千鶴子氏が取材した。

【図表で見る】総住宅数、空き家数及び空き家率の推移

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 自分がもし泥棒として自分の家に侵入するのであれば“どのルートで?”“どういう方法で?”ということをシミュレーションしておくことも必要だと、立正大学文学部教授で犯罪学者の小宮信夫さんは語る。

「家に侵入するため電信柱をよじ登ってくる、あるいはカーポートを登って2階から侵入してくる場合だってあるのです。一度家族で客観的に自分たちの家を眺めてみてください。そしてたとえばカーポートが犯罪者の侵入や逃走の手助けになりそうだと気づいたのなら、そのルートに花のプランターなどをいっぱい置いて、“邪魔なものがいっぱいある場所”“飛び移りにくい場所”にする等々、防犯対策を実行に移すのです。侵入するのは窓かドアからですから、もちろんそのパーツを強化しておくことも大切ですが」

 防犯アナリストの桜井礼子さんは、窓に防犯フィルムを貼ることや、古い窓を防犯ガラスに変えることなども提案する。

「防犯フィルムを窓のカギの部分だけに貼る方がたまにいらっしゃるのですが、これでは外から見ると『ここの部分に防犯フィルムが貼ってあります』というのがわかってしまうんです。防犯フィルムを貼るのであれば、窓全面に貼ることです。その場合は施工業者にやってもらうことになると思います」

 また予算に余裕があるならば、「セキュリティーシステムの導入を検討してもいいでしょう。私がいま申し上げているのは、自主防犯警報システムのこと。たとえばもし窓が勝手に開けられようものなら、外で大きな音が鳴り、なおかつ自分のスマホに緊急で連絡が入ったりするようなシステムを使うとか。留守中に侵入者があった場合スマホから遠隔監視するネットワークカメラがあります。カメラによってはスピーカーが内蔵されているものもありますから、留守中に不審者の侵入があったときは、スマホを使って相手を音声で威嚇できる……等々、いまはいろいろなものがあるんです。そういった防犯システムの利用も視野に入れてみてはどうでしょうか」。

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