39歳ぐらいまでは、「シワも体力の衰えも、すべて受け入れた上で、年相応の人間味を出していきたい」と思っていたが、実際に体力の衰えを実感して初めて、「できるだけ若くありたい」と考えるようになった。

「俳優は身体が資本。長く続けるためには、体力があるに越したことはないんです。本当に衰えちゃったら、もし『リア王』のオファーが来たとき、リア王の心情は理解できても、体力がついていかないと思う(笑)」

 特に野心はないけれど、「いつか、好きなアーティストの、ライナーノーツを書いてみたいなぁ」と、瞳を輝かせながら話す。それは、子供の頃からの夢なのだそうだ。

(取材・文/菊地陽子)

週刊朝日  2019年2月22日号