池江璃花子選手(c)朝日新聞社
池江璃花子選手(c)朝日新聞社

 2020年東京五輪が来年に迫るなか、衝撃が走った。

 競泳女子のエース、池江璃花子選手(18)が12日、自身のツイッターで白血病と診断されたことを明らかにした。その全文は以下の通り。

<応援してくださる皆様、関係者の皆様へご報告があります。日頃から応援、ご支援を頂きありがとうございます。この度、体調不良としてオーストラリアから緊急帰国し検査を受けた結果、「白血病」という診断が出ました。私自身、未だに信じられず、混乱している状況です。ですが、しっかり治療をすれば完治する病気でもあります。
 今後の予定としては、日本選手権の出場を断念せざるを得ません。今は少し休養を取り、治療に専念し、1日でも早く、また、さらに強くなった池江璃花子の姿を見せられるよう頑張っていきたいと思います。これからも温かく見守っていただけると嬉しいです。>

 今後は少しの間休養を取り、4月の日本選手権について「出場を断念せざるを得ません」との方針を示した。東京五輪の出場も危ぶまれることが予想される。

 15年世界選手権では中学生で日本代表入り。16年リオ五輪でも100メートルバタフライで決勝進出を果たすなど急成長。昨年インドネシアのジャカルタで開かれたアジア大会では、日本勢最多となる6冠で大会MVPに選出されるなど、飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍を続けていた。来年の東京五輪でも金メダル最有力――そんな稀代のエースを襲ったのは、生活習慣や環境とはほとんど関係なく発症するとされる白血病だった。

 鍛えられた肉体と精神をもったスポーツ選手だか、これまでにも白血病と闘ったアスリートたちがいた。アルビレックス新潟の早川史哉選手は、入団1年目に急性リンパ性白血病と診断された。約1年半に及んだ治療を経て、現在、完全復帰に向けトレーニングを続けている。格闘家のアンディ・フグさんは、2000年、急性前骨髄球性白血病を発症。35歳で亡くなっている。

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「不治の病」はいまや「治る病気」に