“面白い人”は役だけ? キムラ緑子が芝居をする理由 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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“面白い人”は役だけ? キムラ緑子が芝居をする理由

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菊地陽子週刊朝日

キムラ緑子(きむら・みどりこ)/1961年生まれ。兵庫県淡路島出身。劇団M.O.P.を経て、NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」の小姑役が評判に。近年の作品にドラマ「陸王」「半分、青い。」、映画「銀魂2」など。5月31日から大阪松竹座で、舞台「三婆」も(撮影/遠崎智宏、ヘアメイク/笹浦洋子、スタイリスト/松田綾子[オフィス・ドゥーエ]、衣装協力/マリナ リナルディ[マックスアンドコージャパン]、ウノアエレ[ウノアエレジャパン])

キムラ緑子(きむら・みどりこ)/1961年生まれ。兵庫県淡路島出身。劇団M.O.P.を経て、NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」の小姑役が評判に。近年の作品にドラマ「陸王」「半分、青い。」、映画「銀魂2」など。5月31日から大阪松竹座で、舞台「三婆」も(撮影/遠崎智宏、ヘアメイク/笹浦洋子、スタイリスト/松田綾子[オフィス・ドゥーエ]、衣装協力/マリナ リナルディ[マックスアンドコージャパン]、ウノアエレ[ウノアエレジャパン])

 年齢を重ねながら、徐々に人間に近づいている感じがするというキムラ緑子さん。

「若い頃は、常に自分中心で、なんでも言いたい放題のときもありました。でも、年を取ることで、だんだん世の中の仕組みがわかってきたんです。大人は、若い人たちの生意気さなんて全部お見通し。その上で、許してくれていたんですよね。50も過ぎれば膝も腰も痛むし、目も霞むけれど、生きる不自由さを知るたびに、心の棘が一つ外れていく感じがします。そうやって、人は人間に一歩ずつ近づきながら死ぬものなのかもしれない。私の場合、死ぬときでもまだ十何本も、棘は残っているんでしょうけれど(笑)」

 人が成長するためには、「いろんな人を知ることが大事」と話しながらも、プライベートではそんなに積極的に人と会うほうではないらしい。

「私の成長を助けてくれているものがあるとすれば、それは芝居です。私は、いつだって面白い人に会いたいけれど、私が思う“面白い人”というのは、現実に存在する人じゃなく、役なんです。役を演じることによって、いろんなことを思い、人間について考える時間が与えられる。自分にはないものを持っている人や、日常ではまったく理解できない人。そんな人=役に何とか近づきたくて、芝居をしているんだと思います」

 2016年の7月にパルコ劇場で上演され評判を呼び、第20回鶴屋南北戯曲賞を受賞した舞台「母と惑星について、および自転する女たちの記録」が再演される。母親から徹底的に放任され、父親を知らずに育った3姉妹が、母の死後、遺骨を持ってあてどない旅に出る──。

「脚本がすごく面白くて、読んですぐやりたいと思いました。私が演じるのは、包容力とか優しさのカケラもない母親の役です(笑)。でも、そんな母親の元で育てられても、子供って母親と繋がりたい、母親のことを記憶したいと切望する。とにかく思い出の中から何かを拾って、宝物に変えようとするんです。そんな娘たちが切なくて悲しくて。最初に台本を読んだとき、ラストで空中に遺灰がまかれてキラキラ舞うシーンが、パッと目の前に広がりました」


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