「継続的な夫婦関係が築かれていないと、突然、片方に『もう一回性生活を』と言われても、片方は戸惑うばかりです。これは特に妻以外の女性たちと遊んできた経験がある男性に言いたいのですが、いつまでも家の外で女性にモテて、いつまでも女性と遊び回るお金が尽きないのはよっぽどの強者のみなのです。産後や更年期、妻の身体が不調なときは妻に近づきもしなかったのに、定年後になって急に妻に性欲を向けるのは都合がよすぎます」

 そして高齢期、性欲の落ち着きどころをなくした人を宋さんは「セックス難民」と呼ぶ。「高齢になってからセックス難民にならないようにするためには、高齢期に入る前に相手に我慢ばかりを強いたり、相手に対して身勝手な行動をとらないことだと思います。夫婦関係は、結局は厚い信頼関係の上に成り立っているものなのですから」

(赤根千鶴子)

週刊朝日  2019年2月8日号より抜粋