豊田章男(トヨタ自動車社長)/1956年、愛知県でトヨタ自動車創業家に生まれる。慶応大学卒業後、渡米してMBAを取得。米国の投資銀行勤務を経てトヨタに入社。2009年、社長に就任=1月14日、SUV人気の陰になりがちなスポーツカーファンに向けて、スープラの復活を発表した「北米国際自動車ショー」で (c)朝日新聞社
豊田章男(トヨタ自動車社長)/1956年、愛知県でトヨタ自動車創業家に生まれる。慶応大学卒業後、渡米してMBAを取得。米国の投資銀行勤務を経てトヨタに入社。2009年、社長に就任=1月14日、SUV人気の陰になりがちなスポーツカーファンに向けて、スープラの復活を発表した「北米国際自動車ショー」で (c)朝日新聞社

 1月14日、SUV人気の陰になりがちなスポーツカーファンに向けて、「北米国際自動車ショー」でスープラの復活を発表したトヨタ自動車の豊田章男社長。ファッションデザイナーのドン小西氏がファッションチェックした。

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 この日、米デトロイトの自動車ショーで彼が発表したのは、往年の人気車「スープラ」の復活。こういう体を使った派手なパフォーマンスも、日本の経営者っぽくなくていい感じだよね。何より、復活したのがスポーツカーで、思わず膝を打っちゃったよ。

 あたしはスポーツカーが大好きで、これまで何億円をつぎ込んだことか……。SUVだ、自動運転だって、どんどん車の機能は進化するけど、車はファッションと同じ。機能重視の商品が売れると、次は正反対のエモーション重視の商品が売れる。振り子の原理で、次は心揺さぶるスポーツカーの復権で決まりだって。

 ま、そんなふうに目の付け所はよかったのに、残念なのはこの人のファッションだよ。芸人みたいな太ブチメガネとか、チャラいどピンクのネクタイは健在だけど、パフォーマンスに対してスーツはあまりにも普通だよね。今はAIが主役になって、自動車の概念が変わるときだろ。ビジネススーツの概念も捨てて、未来のトヨタをファッションでもアピールしてほしい。やったもん勝ちですって。

(構成/福光恵)

週刊朝日  2019年2月1日号