専門家の間では、弘前大、岩手大、秋田大の教育学部を統合して「北・東北教育大構想」や、三重大と和歌山大を統合した「南・近畿教育大構想」などの案も出る。近著に『大学大崩壊』(朝日新書)がある教育ジャーナリストの木村誠さんはこんな動きを予想する。

「たとえば東北と九州の大学の教員養成学部で教育研究が大きく異なることはありません。近々に教育系の大学や学部を大統合する動きもあるのではないでしょうか」

 専門家による「統合プラン」はこれらだけにはとどまらない。秋田大や国際教養大、秋田公立美術大などを統合する「大秋田大学構想」や、鳥取大と島根大を統合する「大山陰大学構想」といった案も上がる。

 統合には反発のほか、越えるべき課題が山積するが、18歳人口の減少に歯止めのかからない現状を考えれば、大再編への動きは今後も続くだろう。各大学の強みを生かした議論を期待したい。(本誌・吉崎洋夫)

週刊朝日  2019年2月1日号より抜粋、加筆

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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