「この楽曲に込められた素晴らしさやメッセージが聴いてくださった皆様に届くよう全身全霊で歌わせていただきます」

「歌声の響」に加えて鮫島は自分自身が選ばれたことにも感慨を深めている。在位記念式典での記念演奏は「20年」に次いで2度目。前回は皇后さまが作曲なさった「星の王子の……」と「野菊」を児童合唱団と歌ったが、今回は同じく皇后さま作曲の「おもひ子」を歌う。

「おもひ子」は、詩人・宮崎湖処子の詩に深く心を寄せられた皇后さまが、浩宮さま(現・皇太子)のお休みのときなどに、自らメロディーをつけて口ずさまれていた子守歌。鮫島は今から緊張気味だ。

「次の天皇陛下のために皇后さまが作られた楽曲です。皇后さまが歌っていらっしゃったときのお気持ちを一生懸命思い浮かべながら歌いたいと思っています」

(本誌・上田耕司、太田サトル、大塚淳史、首藤由之/岸本貞司、今西憲之)

週刊朝日  2019年2月1日号