アメリカでは“強欲資本主義”への対抗勢力も生まれてきています。昨年11月の中間選挙で、29歳の元ウェートレスの女性が下院議員に当選したのは象徴的な出来事でした。歌手のテイラー・スウィフトさんは選挙前に自身のインスタグラムで、アメリカ国民に向けて「Please, please educate yourself」(=自分で自分を教育してください)とつづりました。自分の価値観に最も近い候補者を選んで投票しようと呼びかけたのです。私はそこにアメリカ社会の変化への兆しを感じます。

 諦めてはいけません。政党や政治家のやってきたことをよ~く見定めて、理想に向かって汗を流す政党や政治家を選びましょう。日本をいい国にするには、いい国にできる人を選ぶしかないのですから。

週刊朝日  2019年1月18日号

著者プロフィールを見る
前川喜平

前川喜平

1955年、奈良県生まれ。東京大学法学部卒業後、79年、文部省(現・文部科学省)入省。文部大臣秘書官、初等中等教育局財務課長、官房長、初等中等教育局長、文部科学審議官を経て2016年、文部科学事務次官。17年、同省の天下り問題の責任をとって退官。現在は、自主夜間中学のスタッフとして活動する傍ら、執筆活動などを行う。

前川喜平の記事一覧はこちら