南果歩「人生に降りかかることはすべて受け入れて、自分の糧にする」 俳優になった理由を吐露 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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南果歩「人生に降りかかることはすべて受け入れて、自分の糧にする」 俳優になった理由を吐露

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菊地陽子週刊朝日

南 果歩(みなみ・かほ)/1964年生まれ。兵庫県出身。84年、映画「伽耶子のために」(小栗康平監督)で女優デビュー。映画の代表作に「お父さんのバックドロップ」「家族X」「オー・ルーシー!」など。舞台は、「パーマ屋スミレ」以来2年ぶり (撮影/門間新弥 ヘアメイク/国府田圭)

南 果歩(みなみ・かほ)/1964年生まれ。兵庫県出身。84年、映画「伽耶子のために」(小栗康平監督)で女優デビュー。映画の代表作に「お父さんのバックドロップ」「家族X」「オー・ルーシー!」など。舞台は、「パーマ屋スミレ」以来2年ぶり (撮影/門間新弥 ヘアメイク/国府田圭)

 どうしようもなく激しい一面が自分の中にある。その抑え切れない情動を、南果歩さんは“火山”と呼んだ。

「俳優の仕事を目指したのは、有名になりたいとか、人に注目されたいといった理由ではなく、私の中に湧き上がるマグマを解き放つ場所が、芝居しかないと思ったからです。当たり前の日常の中にささやかな幸せを感じる──そんな生活への憧れはありますが、自分の中に抑え切れない衝動があることに、小さい頃から気づいていたので……」

「オイディプスREXXX」は、南さんにとって2年ぶりの舞台である。約2500年前に書かれたギリシャ悲劇は、父を殺し、産みの母と夫婦となった若き王の物語。

「演劇科の学生だったときに、教材として初めて『オイディプス王』に出会いました。そのときは、なぜこのストーリーが何千年も生き続けているのか、深いところまで理解はできませんでした。でも、今回あらためて台詞を身体に叩き込んだとき、“これは、人間の業をすべて表出させたような戯曲だ”と思ったんです。自分を守るためなら、保身にも回るし、嘘もつく。愛情を注いでいる相手がそばにいても、危険を察知したとき最初に思うのは自分自身のこと。結局それが、生き物の本能かもしれなくて、何千年経っても人間の弱さや愚かさは変わらない。でも、そんな人間の恐ろしさや愚かさの中に、抗えない人間の魅力のようなものも、立ち上ってくるんです」

 南さんは、オイディプスの母・イオカステのほか3役を演じる。物語の主な登場人物をメインキャストが演じ分けるのは、古代ギリシャ悲劇の上演スタイルにならったものだ。

「今年の3月に、今回の演出を手がける杉原(邦生)さんが演出した『勧進帳』を見せていただいて、古典の叙情性に現代のリズムを融合させた、その感性に驚かされました。すべての芸能や芸術の中で、観る人が一番五感をフル活動させる必要がある場所が舞台じゃないかと思うのですが、杉原さんは、視覚的にも聴覚的にも、斬新な演出が多くて、稽古をしながら、私も鍛えられています」


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