水谷豊さんは津川さんとの共演時を振り返り、「本当にいつも現場を明るくしてくれる。先輩がそういう振る舞いをしてくれるので、とてもいい現場にいさせてもらえたな、というのが印象的」と話した。

 西岡徳馬さんは津川さんについて、「話してて楽しい先輩だった。よく言い争いもして、両方で曲げずにけんかになったりするけど、けんかしてもちゃんと仲直りできて、認め合うことができる先輩でした」と語った。

 10年ほど前から朝丘さんに何度も食事に連れて行ってもらっていたという山口もえさんは、「大先輩なんですけど、いつも私たちを笑わせてくれるすてきな先輩でした」と話した。

 初めての時代劇に出演した時、津川さんと共演した林遣都さんは「(当時)本当に厳しくご指導いただいた」と振り返った。津川さんからは「遣都は必ずいい役者になるから」と言われたという。

 原日出子さんは夫の渡辺裕之さんと一緒に参列し、津川さんたちの夫婦像について、「つかず離れず、いい関係。朝丘さんはいつもご主人の話をする時、『雅彦さん』と名前でお呼びになって、すごくほほえましいというか。私には仲むつまじく見えましたね」と懐かしんだ。

 17歳の時から10年間、津川さんの事務所でお世話になったという渡辺大さんは、「車椅子で動いてらっしゃるところも見てましたし、それでも次の仕事に向けて話をされてて。生涯俳優としての生き方、立ち振る舞いを見させていただきました。ぼくにとっていい先輩であり、先生でした」と偲んだ。

 大向こうと拍手での見送りに「お別れした気がしない」と話す参列者も多かった。2人の名優はまだまだ人々の心に生き続けるだろう。(本誌・緒方麦)

※週刊朝日オンライン限定記事