いまだ続くステロイドへの誤解 「アトピー性皮膚炎」の治療とは? (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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いまだ続くステロイドへの誤解 「アトピー性皮膚炎」の治療とは?

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竹本和代週刊朝日#ヘルス
写真左から佐伯秀久医師(日本医科大学病院、皮膚科教授)、中原剛士医師(九州大学病院、皮膚科准教授)

写真左から佐伯秀久医師(日本医科大学病院、皮膚科教授)、中原剛士医師(九州大学病院、皮膚科准教授)

 湿疹ははじめ、赤みがあってジュクジュクしている。しかし、かくことが習慣になると皮膚がゴワゴワと硬くなり、厚く盛り上がる。これを苔癬(たいせん)化という。こうなると治療への反応が鈍くなるので、そうならないようにすることが大切だ。

 九州大学病院皮膚科准教授の中原剛士医師は言う。

「治療の目標は、症状がないか、あっても軽く、日常生活が問題なく送れる状態を維持することです。すべての方のゴールが必ずしも完治ではないことを理解して、治療に臨んでいただければと思います」

 治療は、薬物療法、保湿剤によるスキンケア、悪化因子対策を3本柱としておこなわれる。なかでも根幹をなすのは薬物療法だ。

 主役は炎症を抑える塗り薬で、ステロイド外用薬とタクロリムス軟膏がある。ステロイドは、強さにより5段階に分かれている。

 ステロイドは長期に使うと、塗った部位の皮膚萎縮(皮膚が薄くなる)や毛細血管拡張(皮膚に赤みが出る)という副作用が出やすい。以前、副作用に対する誤解が広まり、いまも「ステロイドは使いたくない」と言う患者がいるという。

「ステロイドと、より副作用の少ないタクロリムスをうまく組み合わせれば、多くの場合、症状はコントロールできます。指示された量と回数、期間を守ることが大事です」(佐伯医師)

 どう組み合わせて使うかは、患者の状態や医師の考え方などによって異なる。佐伯医師は、社会人が朝、薬を塗るのは大変なので、1日1回、入浴後に塗るように指導し、次のような組み合わせをするという。

 症状がひどいとき、顔には2~3番目のランク、それ以外には一番強いステロイドを選ぶ。全身に症状がある場合、顔以外には5グラムチューブを1日2本処方し、1週間後の再診までに14本を使い切るよう指示する。

「そんなにたくさん塗るのかと、よく驚かれます。そういう患者さんは、それまで塗っていた量が少なすぎるのです。適正な量のステロイドをしっかり塗れば、一気によい状態に持っていける。治療にはメリハリが必要です」(同)


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