権力の私物化、国会や憲法や、人権の軽視。

 どこをどうとって安倍じゃないといけないの? 選挙のとき、自民党の公認をもらえないと困る? そろそろ役職が欲しい? いやいや一緒に悪さをしてて、それがバレるのが怖いとか?

 バッジをつけた国会議員ともあろう者が、この国や、国民のことを考えず、真っ先に己の処遇を考えるって、もうダメじゃん。

 自民党内、安倍様絶対の空気を破って手を挙げた石破さんは、ようするに「安倍じゃダメだ」といっておる。それをしただけでも、世の諦めムードに一石を投じたってことで偉いと思う。

 みんなは石破さんの出馬会見や、その後テレビでインタビューを受けているところを観て、驚かなかった?

 この人の話は、すんなり意味がわかるって。どんだけ最悪に慣らされてしまったんだよ。

週刊朝日  2018年9月7日号

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室井佑月

室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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