このため、上出医師がすすめるのは「つける」タイプ、それもクリームや乳液である。ジェルでは、よく伸びるぶん、薄くなりがちであり、スプレーでは肌以外に飛び散って、どちらも肌に十分な量がつかないからである。ただ、クリームや乳液はべとつきやすく、塗ったあとは手洗いが必要になることもある。このような日焼け止めクリーム・乳液の、使い勝手の悪さや“面倒くささ”を感じている人に、上出医師は次のようにアドバイスする。

「手のひらに残るのが気になる場合は、クリームなどを手の甲や腕にとって、手の甲などで顔や腕に伸ばすようにしてみてはどうでしょう。手のひらには日焼け止めは不要です。手のひらを使わなくても、結構、塗れるものです。そして、手のひらを使っても使わなくても、塗るときは、一度塗った上に2度塗りして、数時間後にもう一回、2度塗るようにすると、紫外線防止効果が高まります」

 日焼け止めの効果を表すSPFやPAの数値の基準になっているのは、1平方センチに2ミリグラムを塗った場合。しかし、一般的な塗り方は1平方センチあたりせいぜい0.5~1ミリグラム。たとえばSPF50の日焼け止め剤を使っても、使用量が半分以下では、効果も半分以下のSPF20程度しか得られないことになる。

 日焼け止めは、クリームや乳液などのつけるタイプを使い、さらに塗る厚さを意識することが大切なようだ。

(文/近藤昭彦)